Case2 福岡ひびき信用金庫 【北九州市八幡東区】

「障がい者雇用は難しい」から、「今後も採用したい」へ。

 


人事部 審議役 小西 博通さん

 

大正13年設立、県内に46の店舗を構える福岡ひびき信用金庫は、地域の繁栄と共栄するという経営理念のもと社会貢献には常に高い意識を持っています。
ただ、障がいのある方の雇用については、昭和の建築史の礎を築いた巨匠村野藤吾が設計した本社社屋が構造上バリアフリーでないことや、精神・知的に障がいのある方の採用についての不安などもあり、前に進むことができずにいたとのこと。

そこで就労移行支援事業所にサポートを受け、障がい者雇用に実績のある企業の訪問や職場体験実習の受け入れなどを経て、平成29年10月に、貝掛さんの採用を実現しました。

小西「はじめは職員全員が不安を感じていたんですが、まじめな性格と仕事ぶりが評価され、今では飲み会などにも参加するほど溶け込んでいます。今後も年1人くらいのペースで採用し、障がいのある方の就労に貢献したいと考えています。」

 

精神・知的障がいに対する不安を、企業訪問や実習受け入れで払拭!
環境づくりは、できることから少しずつ!

 

多くの不安が、就労移行支援事業所のサポートで解決。

 

質問 精神・知的障がいの方の初の採用、不安いっぱいの時期から大きく前進しましたね。

小西 実は平成28年に、障害者雇用促進面談会(ハローワーク、県等の共催)に参加はしたのですが、とにかく分からない、
ノウハウがないというところで止まってしまう。
困り果てていたところに、向かいの建物にあるジョブサポートセンター八幡から担当の方が来社されました。

現状を相談しましたら、5社の企業への訪問を提案いただきました。

その後、3名の職場実習を一人1週間の計3週間行いました。
発達障がいやうつの症状がある20代~40代の方たちでした。

質問 実習はいかがでしたか?

小西 正直、職場は不安でいっぱいでした。働くということは、厳しいことも言わなければいけませんし。
でも、驚くほど皆さん優秀で、3人とも採用したいくらい。

おかげで社内の理解も深まり、現在、貝掛さんが戦力になってくれています。

 

地道な努力で、社内の信頼と実績を積み上げ。

 

質問 採用後も、社内に定着するまでご苦労があったかと思います。

小西 今まで自分たちがやっていた仕事の中から貝掛さんがやる仕事を切り出していく、この作業がなかなか大変で。
最初の頃は二人で社内の営業回り。

『仕事ないですか?』と(笑)。

どこの部署も初めてのことで不安な中、何かしら仕事を出してくれました。
本人も、不器用ながらとてもまじめに仕事に取り組み、少しずつ能力を発揮していきました。
その結果社内からの信頼も得られ、現在はメール便の仕分けとかアンケートの入力など、さまざまな仕事をこなしてくれています。

確かに体調には波がありますが、よく話をしてくれますし、心も安定しているようです。
体調の変化に合わせて、ルーティーンの中にも加わってもらい、戦力になってくれたらとも願っていますね。

 

障がい者雇用のパイオニアとして自覚を。

 

質問 今後、貝掛さんに期待することは。

小西 とにかく、辞めないでいただきたい。現在47歳ですから、定年まで働いていただいて、その後年金が出るように持っ
ていければ。
やはり障がいのある方が、老後も安心して過ごせるように、企業としてサポートしなければと思いますね。

そのためには貝掛さん自身にも自覚を持って、しっかり業務をこなしてほしい。
そうすれば、次の雇用につながりますから。

そういう意味では、貝掛さんは当社の障がい者雇用のパイオニアなんです。

 

 

 

 

職員の皆さんの負担軽減に一役。障がいがあってもできることを証明したい。

 

 

貝掛 高士さん(人事部 嘱託職員)
子どものころからコミュニケーションが苦手。
でも人の気を引きたくて、人と違う行動をすると今度は変わった人と思われたりして、孤立することが多かったですね。

大学卒業後は、一般採用の正社員で21年働きましたが、同僚とのコミュニケーションがうまく取れず、最後はうつ病を発症してしまいました。
だから、今の職場の仲間に入れていただいたことは、本当にうれしいです。

 

 

今は、各部署から単純作業を請け負って、皆さんの負担が少しでも減るよう、また自分の仕事として確保し、全力で取り組んでいます。
ただ頑張りすぎると力が抜けたり、疲れて眠くなったりするので、支障がない程度に休憩しながら、自分のペースで仕事をこなしています。

 

 

会社からたくさんの気遣いをいただき、正職員の皆さんが取得する生命保険や損害保険の募集人、
証券外務員の資格なども取らせていただいています。
障がいがあっても、やれることはたくさんあることを証明できる、そんな存在になりたいですね。

 

 

 

雇用に対するマイナスイメージをプラスに。現場を見て、 体感することが近道に!

 

前列左から斉藤靖之さん、貝掛高士さん、小西博通さん
後列 沖田修さん

 

〔就労移行支援事業所ジョブサポートセンター八幡〕支援員/沖田 修さん
福岡ひびき信用金庫さんが、障がい者雇用についてお困りだとうかがい、企業見学や環境づくりなどをサポートさせていただきました。

何より、目で見ていただくこと。
「こんな感じなんだ」
「これならやれそうだ」
と感じていただくことが大切ですから。

それで例えば、職場実習も「実習してあげている」ではなく、企業の側が勉強する機会だと捉えたり、採用も正社員に限らなく
てもいいのだという気づきがあったりすると、障がい者雇用の印象がプラスに変化します。

もちろん貝掛さんの採用も、最初から上手くいったわけではありません。
仕事を回しすぎたり、疲れが出て業務中に眠ってしまったり。

そんな問題も、人事や業務担当者、また私も含めた話し合いや本人との面談を通して解決。
現在は、貝掛さん自身が、後輩となる障がい者の指導をしたり、助言したりしてくれています。

 

福岡ひびき信用金庫

【事業内容】
福岡県一円・山口県下関市・大分県中津市を営業エリア
とする信用金庫

●所 在 地/北九州市八幡東区尾倉2-8-1
      ℡093-661-2311
●従業員数/607名
●HP/http://www.fukuokahibiki.co.jp/

 

 



TEL:092-733-3925

■事業主体:福岡県福祉労働部労働局新雇用開発課
■事務局:株式会社綜合キャリアトラスト